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この検討会は、厚労省の「自殺・うつ対策プロジェクトチーム」が5月28日にまとめた報告書を受けて、職場のメンタルヘルスや地域の精神保健医療の整備を検討する目的で5月31日に発足させたもの。両検討会は6月21日までに各4回開かれ、主な論点をまとめた。
「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」のまとめた論点のうち、メンタルヘルス不調の労働者のプライバシーをいかに保護するかという点に絞られた。会社の中で医療的措置を受ける必要のある状況が起きて、家族に協力を求めないと治療が始まらないといった場合、本人・家族が不利益を被るような情報(離婚訴訟中や遺産相続の問題など)も含まれていることから、慎重な検討が必要」(04年7月30日の「過重労働・メンタルヘルス対策の在り方に係る検討会」)との視点を盛り込んだ。プロジェクトチーム報告書にはなかった論点である。
失われる社会経済コストはGDPの2%
また、プロジェクトチーム報告書は自殺や精神疾患が社会経済に与える影響を数量化することで対策を強化する面を指摘した。メンタルヘルスによって失われる社会経済的コストがクローズアップされている。例えば、「社会実情データ図録」で、本川裕氏は「メンタルヘルス障害によって失われる社会経済的コストは、英国ではGDPの2%以上と見積もられている」と説明している。同じ「データ図録」によればメンタルヘルスの有病者は米国で26.4%に比べ、日本は8.8%と米国の3分の1以下であるが、自殺率の高い国別にベラルーシ(35・1%)、リトアニア(30・4%)、ロシア(30・1%)と並び、日本は24・3%と第6位になっている(「社会実情データ」09年段階最新データ)。
02年10月のデータであるが、心の健康対策に取り組んでいる事業場は23・5%と低い状況にあった。1000人以上の規模では約9割、300人以上では6割を超えていた。メンタルヘルス対策に取り組む事業場のうち「心の健康づくり計画の策定を行っている事業所」は7・6%にすぎず、事業場における計画策定を促進する必要があるとしている(04年8月「過重労働・メンタルヘルス対策の在り方に係る検討会」報告書)。
実施基盤の整備として論点になった「実施基盤の整備」については、産業医の資質向上や外部機関の活用があげられている。産業医の選任義務のない中小規模事業場では、地域産業保健センターの活用を示したが、中小規模の事業場の実態は、労働安全衛生基本調査によれば、10~49人の事業所で産業医に相当する医師を選任している割合は2000年で12・2%、05年で7・9%と産業医の選任割合が後退している。
中小規模の事業場は一カ所あるいは数カ所で産業医の選任によってメンタルヘルス対策の対応が容易に可能だと考えられるが、精神科医の立場からは負担が多いとの意見もある(04年7月30日の「過重労働・メンタルヘルス対策の在り方に係る検討会」)。産業医は患者や家族とも連携を取る必要もあり、患者を診る時間と会社との連携に多大な時間がとられ、産業医の協力が得られないといった理由も中小規模の事業場の産業医選任につきまとう。
(「自殺・うつ対策プロジェクトチーム」が5月28日にまとめた報告書では、我が国の自殺者数が09年に3万2千845人となり、1998年以来12年連続して3万人を超えたとしている。先進7カ国中我が国の自殺率はもっも高く、15歳から34歳までの若い世代の死因で自殺がトップなのは我が国だけとしている。自殺の時期は3~6月が年間で多く、とりわけ3月の月曜日に集中していることを明らかにした。





