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 5月27日、協会けんぽ(全国健康保険協会)は先発医薬品を処方されている加入者に対して、ジェネリック医薬品(後発医薬品)に切り換えた場合に自己負担が軽減される金額を明記した通知を送付するサービスを始めることを決定した。(協会けんぽは2008年10月に政府管掌健康保険が公法人に移管した組織)
 すでに広島県呉市では、昨年7月から国保の加入者に対してジェネリック医薬品促進通知サービスを開始しており、ジェネリック医薬品への切り換えは「加入者の自己負担額を減らし、国保財政が健全化することが期待されている」と訴える。協会けんぽでは来年3月までに全国で実施する予定だ。5月21日には、「ジェネリック医薬品の使用を応援」すると発表した。ジェネリック医薬品は先発医薬品の特許期間が終了した後に発売され、開発コストが抑えられているので約3?7割安価になる。だが、2006年度のジェネリック医薬品の数量シェアは18.7%(2007年9月調べ)にとどまり、2012年までに30%とする目標にはほど遠い。
 このため、協会けんぽでは、加入者に対しジェネリック医薬品を希望することを医師・薬剤師に伝えるための「ジェネリック希望カード」を作成し、6月から全国の支部窓口で配布し、先発品をジェネリックに切り換えた場合に医薬品の購入金額が軽減される通知送付のサービスを予定している。

安全性、安定供給、在庫確保など難問の解決は

 厚労省が2007年にまとめた「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」では、これまで、ジェネリック医薬品には、製造販売中止のリスク、納品までのタイムラグが大きい、先発品と規格の違いがある、小包装がないこと、との不信感が医療現場にあり、厚労省では、安定供給、納品までの時間短縮、在庫の確保、品質検査の実施、医療関係者への情報提供、使用の普及促進などの取り組みを提示し、実行してきた。2006年から政府公報「ジェネリッくん」を作成し、メーカーの取り組みとして「ジェネリックQ&A」ハンドブック等で広報を実施した。
 こうした取り組みと同時に、医療機関経営と直接関わる2006年度診療報酬改定において、ジェネリック医薬品を処方した場合に報酬上評価し、2008年度改定では、「後発医薬品への変更可」へのチェック欄を追加した。これにより、チェック欄への署名がなければ、処方時にジェネリックへ変更でき、使用が進むと思われていたが微増にとどまっていた。
 5月20日、厚労省で開かれた中央社会保険医療協議会でのジェネリック医薬品使用状況報告によれば、DPC対象病院、準備病院におけるジェネリック医薬品の占有率が明らかになった。2004年度対象病院、2006年度対象病院、2008年度対象病院のシェア率はそれぞれ、10.6%、10.6%、9.1%であるのに対して、2003年度対象病院は5.6%にとどまっている。これについて薬剤師会の委員からは「DPC病院のジェネリック医薬品使用が進まないデータを」との注文がついた。国は、2003年度に特定機能病院など、急性期入院医療を対象にDPC(診断群分類)に基づいた医療機関別包括評価を導入した。疾病ごとの包括評価の導入で、病院は決められた予算内で治療することになり、原材料費の削減などから、ジェネリック医薬品への切り換えを行う施設が増えるものと期待されていた。
 厚労省の2009年度予算では、ジェネリック医薬品普及啓発のため、「ジェネリック医薬品使用お願いカード」をすべての加入者に配布する6億800万円を用意し、国の取り組みに合わせて、都道府県レベルでも今年度中に29都道府県で「後発医薬品の安心使用促進のための協議会」を設置するため1億1000万円を用意した。ジェネリック医薬品の使用促進の取り組みは、ジェネリック医薬品に切り換えた場合に窓口負担が減るという通知を送付するという半ば強硬手段に出た形だ。 090602.gif