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国立病院、労災病院で行なわれている政策医療は5%を下回り、一般医療は95%を超える実態が6月に行なわれた検討会で明らかになった。7月の検討会では政策医療の赤字分を一般医療の黒字分から補填しているという実態が浮かび上がった。本来、国で行なうべき政策医療について国立病院・労災病院が主体的に担う医療機関としてあるならば、国立病院、労災病院の政策医療分野にはインセンティブをつけるべきとの意見が多くを占めた。
7月5日、都内で開かれた「国立病院・労災病院等の在り方を考える検討会」(座長=相川直樹・慶応大学名誉教授)で、新谷信幸委員(連合総合労働局長)は政策医療を一般医療で補填する構造を指摘。国の政策医療への何らかの補填が必要と主張した。医療連携ネットワークにも触れて、地域偏在の問題から在り方を検討すべきと結んだ。
冒頭、震災支援にいち早く向かった状況が報告されると、夏目誠委員(JR東日本リテールネット社長)は「ある時は独立行政法人、ある時は国の機関として政府の要請で動くことになるのはつらいのではないか」と切り出した。事務局は官邸からのミッションに対しては「条文に従って動くことになっている」「1000年に一度の有事だったので」と弁明を繰り返した。
夏目委員は大震災後の国立病院機構の震災支援の対応について触れ、「民間でもできるではないか」と言い始めた。国立病院でなければならない理由はないと言うのだ。夏目委員の考えでは国立病院機構が災害の度に派遣要請を受け現地に派遣しているが、国の要請に翻弄されてはいないかというのが本音のようだ。国の要請を受けて災害医療に取り組むなら補助金、助成金は受けて当然だろうという主張である。
労災医療の在院日数は長期に
労災医療は一般医療よりも平均在院日数が長いことなどにより診療単価も低いため、一般医療よりも収支率が悪い。例えば「じん肺」「せき損」の入院患者について、北海道中央労災病院では1日の平均患者は労災医療で36.3人(うちじん肺32.4人)、診療単価は3万2908円(1日あたり)となっている。平均在院日数は31.4日と長期入院の傾向が見える。医業収支比率は93.5%(31百万円)の赤字になっている。
これに対し、一般医療では1日平均患者数は223.3人と6倍以上の患者数の差がある。平均在院日数は18.3日、収支率は103.6%となっている。2007年~2009年の3カ年で労災患者は平均4.2%と横ばいである。一般医療の黒字分が政策医療を補填していることがここからも分かる。都道府県別では北海道、香川県の11%超以外は4、5%が労災患者の実態である。
新谷委員は「「病院等」とは何をさすのか。RFO(*)の病院も含めるのか?」と質した。新谷委員の意図は医療連携のネットワークの在り方。RFOを含めた独立行政法人の病院244施設をネットワークの視点で日本地図にプロットすれば「過疎と集中化が見えてくるのではないか」というのだ。全体像を描く中からネットワークの在り方を考えるべきという中身のある議論をしたかったに相違ない。
同検討会は昨年12月に「独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会」がまとめた報告書に従って発足させた経緯がある。厚労省が所管する244施設(RFOを含む)について、複数のネットワークに分かれていてを効率的、合理的な配置になっていないと指摘。検討会は再編・整理への意見書を年末にはまとめる。
*RFO=独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構の略称。独立行政法人 年金・健康保険福祉施設整理機構は社会保険病院、厚生年金病院を運営する機関として組織されたが、11年6月17日に成立した「改正年金・健康保険福祉施設整理機構法」により社会保険病院、厚生年金病院の病院運営を目的とした「地域医療機能推進機構」に改める。新たな機構では病院の譲渡・廃止等を所掌する。
厚生労働省所管の独立行政法人が運営する病院は、国立病院144、労災病院30、RFOの社会保険病院52、厚生年金病院10のほか、ナショナルセンター8の合わせて244施設
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