476号 地域医療提供体制のビジョン15年度に 社会保障審議会医療部会

 
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 6月20日都内で社会保障審議会医療部会(部会長=永井良三・自治医科大学学長)が開かれ、社会保障制度改革国民会議(会長=清家篤・慶應義塾塾長)が4月にまとめた「議論の整理」について審議した。地域医療ビジョンの策定については2018年度を15年度に前倒すことにし、医療機能の分化については、次期診療報酬改定において診療報酬報酬の特性を活かした機能分化のための取り組みと財源に消費税増税分を活用した基金を創設し、補助金的手法で誘導する方法の組み合わせを引き続き検討すると提案された。それを元に将来の必要量を設定する提案も了承した。
 国民会議がまとめた「議論の整理」では、医療提供体制のあり方については各都道府県が2次医療圏ごとに基準病床数を高度急性期・一般急性期・亜急性期の医療機能別に算定し、地域医療計画に盛り込む。
 医療計画の策定者である都道府県を国保の保険者とし、医療計画の策定者である都道府県に保険医療機関の指定・取消権限を与え、保険者機能を通して受益と負担の牽制を働かせることを期待している。
 同案の実行には医療法改正による地域医療計画の見直しが必要で法改正には、相応の時間が必要との観点から次期診療報酬の改定で機能分化の取り組みの実施及び、診療報酬による取り組み提案と同時に、消費税増税分を活用した基金の創設といった組み合わせを検討すべきとの提案が検討事項として残っている。
 都道府県を国保の保険者にする提案は医療保険部会で了承されたが、保険医療機関の指定・取消権限については医療機関の地域差や病床特性といった事情を無視することはできず医療保険部会の意見は二分された形だった。

医療機能はお墨付きではなく報告
 医療機能の分化について、医療部会の作業グループ「急性期医療に関する作業グループ(座長=田中滋・慶應義塾大学経営大学院教授)」が11年12月から12年6月まで8回に渡って審議経過が参考になる。
 作業グループは、急性期の定義をめぐって定義付けを急いだ節もあったが、地域、医療機関、病床によって各々異なる実態があるということから、最終的に各医療機関が都道府県に報告し、病院データが集まった段階で、急性期ならこんな形、亜急性期はこうといった医療機能が固まってくるということで収束した。
 当初厚労省案では、「法律で類型化できる仕組みを医療法上位置づける」と先に枠組みを決めてから病床を当てはめていく提案に対し、相澤孝夫構成員(日本病院会副会長)からは「求められる機能が分かる仕組みを医療機関が自立的に取り組んで機能分化」していく、緩やかな機能分化が図れる仕組みが提案された(12年5月31日)。
 国民会議の「議論の整理」では、都道府県は基準病床数を医療機能別に算定することとされている。算定に当たって、都道府県が各医療機関からの申請をどう受けるのか。「作業グループ」の議論では登録・認定制度が俎上に上がった。登録と認定について事務局の提案は医療機関からの登録申請を受けて、都道府県が認定する仕組みで、「一種のお墨付きを与える性格」のものと明確にした。委員は登録・認定制度に反発。これを受け事務局は「一定の事実関係を行政に登録し、事実関係を確認する」と内容が軟化した形にまとまった。また、機能の類型化についても具体的に急性期、回復期リハビリテーションなどの記載ではなく、弾力的な仕組みができるよう省令以下で記載するイメージも明かした(12年4月20日)。
 医療部会の提案は6月末に開かれる社会保障制度改革国民会議に回される。(バックナンバーをご覧になりたい方はこちらをクリックしてください→http://www.medical-news.jp/archives.html)