406号 「急性期病床群」検討会へ 後方機能不足も影響か?

 
A4版ワタキューメディカルニュースはこちらからダウンロードできます。
 
お知らせ
 メディカルニュースは2012年1月3日、10日はお休みさせていただき、2012年1月17日に更新いたします。


 12月22日、厚労省で急性期医療に関するワーキンググループ(WG)会合が開かれた。厚労省が11月の医療部会で提案した「急性期病床群」(仮称)の具体的なイメージを固めるのが開催の趣旨。わが国の医療提供体制は一般病床、療養病床と患者の病期にあわせて病床が区分され、病床機能も病期に沿った診療報酬が評価されてきた。医療の高度化、患者の病態像の変化によって必要とされる入院機能が変化し、病床区分も自ずと変容を余儀なくされてきた。
 医療提供体制を決めている医療法では精神病床、感染症病床、結核病床、その他の病床という区分になっている。当初は一般病床、療養病床の区分はされず、「その他病床」に一括していた。患者の病期や高齢化の進展などで病床区分の改正が行われてきた。昭和58(1983)年「その他病床」から長期療養患者の施設として「特例許可老人病棟」が分化、平成4(1992)年には、「療養型病床群」が制度化された。さらに平成12(2000)年には介護保険のスタートと同時に長期にわたる療養を必要とする患者の施設を「療養病床」として制度化し、それ以外を「一般病床」とした。
「療養病床」は、介護保険において医療需要の高い者は介護療養型病床、医療においては医療療養病床が引き継ぐ形で慢性期医療が行われてきた。2006年には医療費適正化計画の一環で介護療養病床は廃止することになった。こうした病床機能の機能分化は医療の効率化につながるものとなっている。
 医療提供体制を審議してきた社会保障審議会医療部会において、急性期医療では、医療資源の集中投入がより必要な重症患者等への急性期医療の機能強化、急性期医療から引き継ぐ病床の確保の必要性などを踏まえた在り方を考える事が必要との議論が出されていた。
 従来より一般病床には、急性期医療、亜急性期医療、回復期のそれぞれの病態の患者が混在し、平均在院日数を押し上げている現状が問題との認識があり、整理すべきという方向性の議論がされてきた。一般病院の「一般病床」がそれぞれの病期を混在して抱えていることが常態化していることについて共通の認識を持つべきだろうと、「急性期病院」というイメージを高智英太郎委員(健康保険組合連合会理事・11年3月9日の医療部会)は提案した。全日本病院協会は数年前から地域の実情を勘案して枠組みに裁量を持たせた「地域一般病棟」の提案を行っていた。11月17日の医療部会で事務局が提出した「急性期病床群」(仮称)はこれらの提案をうまくカバーした形となった。
 「急性期病床群」(仮称)について横倉義武委員(日本医師会副会長)は「診療報酬での区分と医療法で明らかにする事について理解出来ない」と反発。日野頌三委員(日本医療法人協会会長)は「急性期の定義をもたないことには議論は進まない」と定義付けを要求した。事務局は医療法で明確化することについて、「医療提供体制の基本的仕組みを明確化し、その上で診療報酬がついてくるのが筋道」とし、一般と長期療養とを区別し、急性期を機能分化するのは議論の流れと回答した。

急がれる法案、慎重な了解 
 政府与党がまとめた社会保障・税一体改革成案では、「地域の実情に応じてサービスの提供体制を効率化・重点化し、診療報酬・介護報酬の体系的見直しと基盤整備のため一括的法整備を行う」としている。WGのスケジュールでは年明けの早い段階で「急性期病床群」(仮称)の具体案の検討をまとめ、医療部会に報告する。厚労省はこれを受けて、法案を作成、国会提出の予定になっている。
 一般病床に様々な病態の患者が混在すること自体が問題視されているが、地域によって医療提供体制の整備が不十分で、在宅医療の後方機能の受け皿がない等「急性期病床群」(仮称)を投入するとしても機能が果たせないといった地域事情もある。社会保障・税一体改革成案が描く2025年のあるべき姿に照らして、「急性期病床群」(仮称)が整備された将来像では、人的資源が集中的に必要な急性期医療の機能分化が進み、地域の実情に応じて医療連携が完成された形になるはずだ。事務局の示した図では一般病床300床を7対1看護配置の急性期病床群250床と亜急性期50床の病院にするというもの。年明けから始まる国会に法案提出を急ぐ厚労省だが、病院団体、医師会の了解を取り付けるにはいばらの道が待ち受けているようだ。(バックナンバーをご覧になりたい方はこちらをクリックしてください→http://www.medical-news.jp/archives.html)