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「モデル事業案」では特養、老健、グループホーム、有料老人ホーム、障害者(児)施設と訪問介護事業者(在宅)でたんの吸引、経管栄養を行う。
これに必要な研修等については、介護職員に講義・演習を行う医師・看護師向けに指導者講習と介護職員の基本研修・実地研修・ケアの試行の50時間研修を行う。
モデル事業案では、在宅、特養、特別支援学校などで介護職員等がたんの吸引・経管栄養のうち一定の行為を実施するにあたって「当面のやむを得ない必要な措置(実質的違法性阻却)」との表現を使った。違法性阻却とは、医師の行為について、手術で患者にメスを入れる行為は傷害罪として成り立つが違法ではないとする法律用語。医師には正当な理由があるからで、これを違法性阻却事由と考える。介護職員等が行うたんの吸引などの医行為については、実質的違法性阻却事由にあたると考えられるものの、介護職員等は医師等が行うこととされている医行為を行うことのできる職種として認められていない。
近年、在宅、特養、老健、グループホーム、有料老人ホーム、障害者(児)施設などで医療的ケアのニーズが高まってきたため、看護職員と介護職員が連携してケアを提供していかなければならないし、今後もこうした需要は増え続けると見ている。
全国の特養を対象に09年9月から10月にかけて、特養の入所申込者の医療需要を見た調査では、医療処置を「必要」とする者、14.6%で、「不要」とする者は65.2%であった。入所申込者の要介護度は「要介護度4」と「要介護度5」であわせて42.2%を占めていることがわかった。(10年3月「特別養護老人ホームにおける入所申込者に関する調査研究」野村総合研究所)
厚労省が08年9月?10月にかけて行った特養における医療的ケアに関する調査では、3370施設から回答を得た。夜勤(宿直)の看護職員がいる施設が1.7%(0.6%)、看護職員がいる時間といない時間がある施設が5.6%、看護職員が状況に応じて勤務することのある施設が10.8、オンコールで対応する施設が75.9%であった。
特養で行われる医療ケアでは、「服薬管理(麻薬の管理を除く)74.6%、「経鼻経管栄養及び胃ろうによる栄養管理」9.9%、「吸引」5.3%、「創傷処置」4.6%、「浣腸」3.7%、「摘便」3.7%となっている(複数回答)。
吸引については、「咽頭手前までの口腔内」を実施する者は87.0%、「鼻腔」は51.8%、「咽頭より奥・気管切開」は31.1%であった。
経管栄養では経鼻経管栄養の実施回数は3回/日95%が最も多くなっている。
法改正はネクストステップ
たんの吸引と経管栄養を医行為から除外すべきかで議論が行われたが、事務局案は医行為とそうでない行為の間に「第三の行為累計は存在せず」、教育・研修を行った行為を「医行為でない行為」とすることはできないと整理した。その上で、「法整備による対応とすることが適当である」と、ここに来て厚労省は完全に舵を切った。
過去に違法性阻却という形で対応した例は、03年在宅でのALS患者に対するたんの吸引、二つ目は04年特別支援学校における取扱、三番目が05年の在宅でのALS以外の療養患者、障害者に対するたんの吸引、四番目が10年の4月、特養におけるたんの吸引について局長通知という形で解釈を示してきた。今回のモデル事業の実施と並行して法整備が進められる。
昨年から介護職員処遇改善交付金などの対応で介護人材確保対策が進行中だが、たんの吸引・経管栄養による業務負担増は介護職員の処遇改善議論と不可分と思われるが、検討会の議論では置き去りにされた感は否めない。





