278号 小規模多機能型施設を緊急整備3年間で16万人分

 
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 5月29日、総額14兆6987億円と最大規模の2009年度補正予算が成立した。戦後最大の経済危機を乗り越える対策といった側面が強く出ている。前日の28日には都内で開かれた全国介護保険担当課長会議で、厚労省から補正予算案に示された介護基盤の緊急整備、介護職員の処遇改善対策についての説明があった。補正予算は介護基盤緊急整備に2495億円、うち介護基盤緊急整備特別対策事業に2212億円、既存施設のスプリンクラー整備に283億円の2事業。地域のニーズに対応するため、施設整備交付金(ハード交付金)を拡げるための基金を設置し、特別養護老人ホーム、老人保健施設、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所などを緊急に整備する。
また、2009年4月から新たにスプリンクラーの設置が義務づけられた特別養護老人ホーム、有料老人ホームへの助成も行う。
 介護基盤の緊急整備は、老後の安心確保と雇用機会の創出という両面から経済危機対策に盛り込まれた。麻生首相は、経済危機から来る雇用情勢の深刻な事態、実体経済の悪化など、短期的な危機(底割れのリスク)、世界経済の構造的な危機といった2つの危機を克服するため、成長への足がかりとなる具体的施策として、介護基盤の緊急整備、介護職員の処遇改善対策を上げた。

雇用も30万人増
 雇用関係では、2008年度当初、約165万人の介護職員などを2011年度末までの3年間で増員し、雇用創出しようというもの。第4期介護保険事業計画(2009?2011年度)では3年間で約20万人の雇用創出を予定しているが、補正予算の交付金で2011年度末までに介護基盤緊急整備でプラス約10万人の約195万人を予定する。
 介護基盤の緊急整備は、介護基盤緊急整備等臨時特例基金に交付金として助成し、都道府県では6月、9月の定例議会に基金設置条例と補正予算の議案が提出される。交付金を使うと小規模特養、ケアハウス1床当たりの基礎配分単価は現行の1.75倍に引き上がり、200万円が350万円になる。また、特別養護老人ホームの居室及び共同利用室を除いた公共スペース1床当たり400万円のところ、3年間に限り最近の標準的事業費を勘案して700万円を補助事業対象とする。1施設当たりの単価設定は小規模老健で4375万円、認知症高齢者グループホームで2625万円、小規模居宅介護事業所で2625万円などとなっている。

3年後目標、約16万人分の小規模多機能拠点
 小規模(定員29人以下の)特養、小規模老健、小規模ケアハウス、グループホーム、小規模多機能居宅介護事業所などの介護拠点を整備する。市町村が策定した第4期介護保険事業計画約12万人分の拠点整備の目標に1年分の4万人分を上乗せし、2011年度末までに約16万人分の拠点整備を目標とする。開設前の準備経費として看護職員、介護職員の研修経費や就職説明会、広報誌などの職員募集に必要な経費、経営コンサルタントへの支払いなども助成の対象となる。
 また、用地取得が困難な都市部での特養などの整備、定期借地権を利用した整備促進特別対策事業も実施される。定期借地権は50年以上の設定とする。
 介護拠点の整備は施設整備交付金(ハード交付金)による整備と日常生活圏域を単位として策定される面的整備計画によって小規模多機能型サービスが推進されてきたが、市町村交付金の活用は低調で、基盤整備計画が十分行われていない市区町村が多く見られる。このため、昨年まとまった「社会保障国民会議」中間報告では、2007年現在で84万人分の介護施設が2025年には149万人分と1.8倍に膨れあがり、居住系施設では25万人分が68万人分と2.7倍になる。介護職員では117.2万人が255.2万人と2.2倍になるシミュレーションが示された。
 介護給付費実態調査(2008年11月)によると施設サービス利用と小規模多機能型居宅介護サービス利用では1人あたり費用は28万3200円と18万7300円と10万円も差額があることから、地域密着型の居宅介護施設整備は今後3年間の在宅待機者の解消策として市町村に求められている。 090609_1.gif